三脚のお話

こんにちは


今回は三脚のお話…


私も動画制作を始めたばかりは機材も少なく、三脚も間に合わせ程度のものを使っておりました。


しかし、家族の介護等で仕事内容の軸を振り替えなくてはいけなくなり、撮影業務の軸を太くするにあたり、それまでは以前から撮影以外でお取引があったお客さんへのみの動画撮影〜編集という業務をビジネスの一環として扱うことに。そうなればそれに見合う機材もある程度は揃えないとという事で、まずはマッッフロットの536という、2mを超える高さの三脚を購入しました。


このマンフロットの536という三脚、イベント撮影等で人の頭より上の視点からも撮れるという事からチョイスしましたが、私の撮影におけるメインフィールド(磯)へ持っていくにはちと重い。ていうか、重すぎる(笑)


同時に購入したビデオ雲台、509HDという雲台も重く、三脚とのセットで約7kg。それにリグでシステムを組んだカメラが約7kg。


一旦磯へ上がれば、それはそれで重さによる安定度が抜群なので、その恩恵は受けれるものの…問題は撮影中の移動。



マンフロットの536三脚と509HD雲台


重さもそうですし、担ぐ際に肩へかかる負担が凄い。この負担というのは、脚の太さによるもの。その後マンフロットのナイトロテックN12という、ワンオペでやっている人や、趣味で撮影をやっている人には有り難い価格で、高級業務雲台にも引けを取らない操作性の高い雲台を追加、536との組み合わせでもかなり軽くなりましたが、やはり脚の太さによる移動時の方への負担は大きく、三脚を追加購入。


そもそも三脚の追加購入は機材の少なさから考えていたものの、いかんせん金が無い(笑)


ということで後回し的に考えておりましたが、お仕事の依頼も増えて来た事から三脚の購入を決意…



趣味でやっている人たちからすれば、決意という程でも無い(私も釣りに関してはそれ相応に無駄使いしてきましたので)と思うのですが、清水の舞台ものであります。ホント…


というのも、先に購入したマンフロットの536三脚と、509HD雲台を活かせる三脚を検討したところ、カメラ三脚では有名なGITZOのシステマティックという三脚くらいしか互換性が無い感じ。(あるにはあるようですが、このシステムが一番安い)


で、GITZOのシステマティックにも種類がありますから、5型という最高峰をチョイスしたいものの、それでは脚の太さが同じで意味無い。という事でチョイスしたのが3型3段ロングというもの。



GITZO3型3段ロング


脚の太さも丁度良く、耐荷重も問題なし。3段にしたのは伸ばすアクションを少なくして磯場で脚を伸ばす作業の負担を減らし、ロングにしたのは担ぐ際にある程度長さがあった方が担ぎやすく、担ぎやすさから中途半端に脚を伸ばした状態で担いだ際に想定される、岩への接触による傷やダメージの防止の為。


三脚ほど分厚いカーボンがどの程度か分かりませんが、同じカーボン製品である釣竿なんかはガリ傷には強いですが、直線的な傷には弱く、間が悪いと「パキーン」と竹を割ったように真っ二つに折れてしまうのは釣り人あるある、よく聞く話です。


そして脚の柔軟性が高い写真用三脚を用いているのにも理由があり、不安定な磯(岩場)では三脚の脚を1本だけ開脚してさらに伸ばし、歪(いびつ)な開脚スタイルで平行を出すこともしばしば。ビデオ用のスプレッダー(ねじれ防止の為のパーツ)付きのものでは出来ない開脚スタイルで使う為、写真用三脚が威力を発揮するという訳です。


もちろん、写真撮影においても抜群の性能を発揮するGITZOの三脚ですから、近くである六甲山や神戸の港で写真を撮る時なんかにも持って出るのですが、さすがにGITZO、その存在感に周りの視線も感じる(使っているカメラがマイクロフォーサーズのカメラですから 笑)のですが、3型3段ロングの脚を全部伸ばすと、雲台やカメラの高さで180センチくらいの人でないと目線が合わないくらい高くなりますので、普通に使うなら、3型3段のような、全伸長130センチくらいの高さの方が、脚を伸ばし切って使うのが標準的な使い方となり、使いやすいかと思います。


ちなみにこのシステマティック三脚、トップのパーツがワンタッチで交換出来るようになっている為、脚を畳んだ状態でも上部がそこそこ太くなるので、購入検討の方は現物チェックした方が良いと思います。GITZO以外でも動画の為に三脚を購入しようと思っている方は、脚の細い三脚の重さによる脚のたわみ具合をチェックしてみてください。(チェック時に担ぐ事が出来れば尚良し)


ちなみに私は、このワンタッチシステムを利用し、100mmのハーフボールアダプターを使い、509HDとナイトロテックN12を、それぞれの三脚で互換使用出来るようにしてあります。


そもそも互換が容易なら、マンフロットの535という三脚の選択肢もあったのですが、509HD雲台のハーフボール(取り外し不可)が100mm、535は75mmなので諦めたんですよね(泣)


三脚と言っても幅広い道具なので、手持ち撮影しかしない人にとってはレンズやボディが買えるくらいの三脚ともなると、なかなか手を出しにくいと思いますが、私のような仕事で使わなければいけない立場の人は使用頻度に捉われる事無く持っておかないといけませんが、趣味として考えても、レンズやボディを買い換えるようなサイクルではないモノなので、その辺を理解すれば…良い三脚を持っていても損はないと思いますよ。


私がGITZOの三脚を使い始めてから、カメラのグレードで見下すようなカメラマンからも見下されなくなったというのは、本当の話です(笑)


写真を撮る事、映像を撮る事ってそういうものではないと思うのですが…これも人間の性なのでしょう。







この動画は三脚の脚の出具合をスムーズにした方法を伝える為に作った動画。コメントにはウンチクを書き込んできた人も居ましたが…使い方は人それぞれ。岩場でカメラを置くのにも苦労する環境でとにかく脚を伸ばして(畳んだまま置こうとすると腰へのダメージが 笑)撮影の段取りをしたい時、片手で12kgの三脚・カメラセットを持ったまま三脚の脚を伸ばそうとしても無理がある環境。脚がサッと伸びてくれればと思って改造したらいい感じに仕上がったので、情報の共有という事で作った動画です。


ちなみに中腰になって三脚を置いても、不安定な岩場だとカメラを置く場所もなく…1度置いた三脚の脚を伸ばそうとしても上にカメラが載っていたら(笑)


動画だけではなく、ネイチャー系の写真を撮るフルサイズのカメラシステムをチョイスしている重たい機材を担ぐカメラマンさんも、この気持ちが分かると思います(笑)

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